アイドルの秘密は溺愛のあとで
「店にお前を迎えに行ったらいなかったから…慌ててマンションを目指した。すると途中で、警察に連行されている男がいた。帽子を目深にかぶった小太りな男…。
そいつと、今お前が泣いてる事は――関係があるな?」
「…は、い…っ」
「俺、言ったよな?度を越した奴がいるから気をつけろ。一緒に帰るまで待てって」
「…はい…」
「なんで約束破った?なんで、」
「~っ、うっ…」
何も言い返せない。私が悪い。自業自得。玲央さんまでもを危険に晒して、何やってるんだろう私…バカだ…大バカだ…っ。
「萌々、こっち向け」
「は、い………んっ⁉」
ちゅっと、唇にあたる柔らかくて温かいもの。
それは、皇羽さんの唇。久しぶりのキスだった。