アイドルの秘密は溺愛のあとで
「(…あれ?)」
「あっぶねぇな」
…あれ?私、誰かにギュッてされてる?誰かに包み込まれてる?
大きな手が、私の腰を掴んでいるのが分かる。そしていとも簡単に、私を真っ直ぐ立たせた。
「あ、ありがとうございます…」
「ん、気をつけろよ」
「は……い!?」
ペコリとお辞儀をした後。ビックリしすぎて、声が裏返っちゃった…。
だって!
「(なんと言う顔の小ささ!いや服が大きいだけ!?ひょっとして来年以降も同じ服を着るため、節約してスリーサイズくらい大きいのを買ったの…!?)」
もしかして…仲間?
「(貧乏仲間…っ!?)」
チラッと男の人を見ると…
うわ、すんごいイケメンだ。
だけど、なんでそんなに深く帽子を被ってるんだろう…?真夏でもあるまいし。
「(それに、なーんか見た事あるような気がする…)」
初対面なんだけど、初対面じゃないような……誰だっけ?