アイドルの秘密は溺愛のあとで


はぁ――と熱のこもった皇羽さんのため息を聞いて。ふと、思う。

もし、今ここに皇羽さんがいたら…。私はきっと押し倒されて、いつかみたいに、すごい回数のキスをされてただろうと。



すると皇羽さんが「離れてて良かったな」と冷静に喋った。



『今一緒にいたら、絶対お前を抱いてるとこだった』

「……」



まさかの、それ以上だった。



「今の言葉で、本当に大丈夫だって思えたので…。私の事は気にしないでください。皇羽さんは皇羽さんの思った道を、思ったように進んでください」

『……』



急に黙った皇羽さんに…不安がよぎる。

「皇羽さん?」と名前を呼ぶと、「あぁ」と短い返事。

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