アイドルの秘密は溺愛のあとで
「どうしたんですか?」
『俺が行く道のその先に…何があるか分かってんの?』
「え、何ですか?」
全く分かってなさそうな私の声に、皇羽さんは…今度はため息をつかなかった。
呆れるでもなく、バカにするでもなく。ただ冷静に話す。
『お前を――いずれ俺と同じ苗字にしようと思ってる』
「同じ、名字…?」
『お前の左手の薬指は俺のもんだって。そう言ってんだよ』
「……え」
え――?
開いた口が塞がらない…。
ビックリしすぎて、たぶん心臓が少し止まった。
「(今の…幻聴じゃないよね…?)」
ずっと、それらしい事は言っていた。皇羽さんは出会った時から、そんな事ばかり言っていて…。
自分を王子様と思えばいいだとか、家族になろうとか……。
でも……いつも突然で。勢いでそう言っちゃってるのかって、今まで本気にしなかった。
だけど、