アイドルの秘密は溺愛のあとで



「萌々~大丈夫?」

「……え、なにが?」

「なんか般若みたいな顔になってるよ?お祓いしようか?」


あのクウちゃんに心配されるほどに、私の顔面は崩壊しているらしかった。なぜ崩壊してるかっていうと…



「(覚悟してたけど、皇羽さんとこんなにも会えないなんて…!電話もできないし、寂しいが日々増してるんですけど…!)」



そのくせ、周りの人は皇羽さんであるコウを推しているようで。コウをひたすら「好きだ」と連呼している人を、街中でよく見かけるようになった。学校でも。


そんなファンの声を聞いてしまうと、私の中にある嫉妬心がメラメラと燃えてしまって…。


皇羽さんに釘を刺されたにも関わらず、ファンの人と張り合ってしまう。

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