アイドルの秘密は溺愛のあとで

「(私なんて皇羽さんと一緒に暮らしてたし、一緒に寝た(健全)しキスもした事あるのに…!ってそんな事を言っても仕方ないけど……何言ってんだろ、私)」



はぁ――重たいため息が出る。



「(今、皇羽さんがこの世で一番遠い存在に思えるよ…)」



玲央さんにも念押しされていたから覚悟していたことだけど…。最近やっと、本当の意味が分かって来た。


皇羽さんが Ign:s に入るのが、どういう事かを――



「壁が…!目の前に大きい壁が…っ」

「なんか私みたいになってるけど大丈夫?」

「む~…っ」



最近は登校から下校まで、クウちゃんに心配されている。それくらい、私の精神状態は不安定に見えるらしくって。


そんな私を見かねたクウちゃんが、帰り道の別れ際。「前も言ったけどさ」と、私の頭を撫でた。

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