アイドルの秘密は溺愛のあとで



「私はいつだって萌々の味方だからね?一人で抱えきれなくなってどうしようもなくなったら、いつでも私に相談しといで」

「…クウちゃん」



隣にこんなに気になる奴がいるのに…。話す事を尚も強制しない、彼女の優しさが胸にしみる。



「いつか絶対に話すから…その時は聞いてくれる?」

「もちろん!あ、じゃあ私も…コウが入った事で Ign:s のコンサートがまた開かれるんだけど…チケットが当たったら一緒に付いてきてくれる?」

「…ふふ、もちろんッ!」



私たちはお互いに約束をして別れた。クウちゃんと別れた後に、そう言えば…と。前、皇羽さんと電話をした時の事を思い出す。



――萌々、覚えとけ。次に会った時、俺はお前の全てを貰うからな



そんな事を言った皇羽さんだけど…。

次に会うのがもしもコンサートだったら、皇羽さんはどうするんだろう?――なんてことを考える。



「…いや、なんかコンサートをめちゃくちゃにしかねないから想像するのやめよう」



だって皇羽さんだしね――と。あらぬことを想像して、自然と笑みが零れた。

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