アイドルの秘密は溺愛のあとで



「そのボロボロな格好じゃ外も行けねーからな」

「え、どこに行くんですか?」



「買い物」

「それじゃあ!ベッドを買って、」




皇羽さん!やっぱりあなたは優しい人なんですね!――と思った直後。


「ちげーよ」と皇羽さんが否定した。



「お前の服とか、色々買いに行くんだよ。全部焼けたんだろ?パジャマも、あ~それと。

下着も、だよな?」

「え!」



どうやら、この人はバッチリ聞いていたらしい。

焼けていくアパートの前で、私が叫んでいたのを。



――だけじゃなくてパジャマも!!
――じゃあ下着も…!?



思い出して赤面していると、皇羽さんが「くく…っ」と笑いを堪えていた。

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