アイドルの秘密は溺愛のあとで

他にヒントは無いかと、今度はポケットティッシュを見る。

まだ一枚も使われていない、ミシン目も切られていないティッシュ。裏は何かな?と、ティッシュをクルリと裏返す。


すると、そこには――



「これ…昔、私がアルバイトで配っていたポケットティッシュ…!?」



ポケットティッシュの裏に差さっていた広告を、私は何度も見た。

何個も何個も、終わりがないポケットティッシュ配りをしていた中。落ち込んで視線を下げては、この広告が目に入っていた。



「そういえば…皇羽さんは私がポケットティッシュ配りをしていた事をすんなりと当てたよね…?」



――アルバイトって…テイッシュ配り?

――え、ウソ。すごいですね、なんで分かったんですか?



それだけじゃない。

私が宝くじ売り場で宝くじを買おうとしたのも、皇羽さんはすぐに言い当てた。
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