アイドルの秘密は溺愛のあとで


『今、モモスケって言った?』

『……言ってねぇよ』



突拍子もないことを言う玲央を、白い目で見る。なにをどう聞いたらモモスケなんて言葉が出てくるんだよ…あ、そうか。



――モモって子をたすけてやりてぇなぁ



『(それがモモスケに聞こえたのか)』



玲央はいつも突拍子もない事をいう天才だ。それに困っていた俺だけど…。


まさかその天才を、俺の口から困らせる日が来ようとは…思いもしなかった。



『玲央、高校には行かねーけど他の事を頑張るって言ったよな?』

『うん、言ったよ』



『じゃあお前――アイドルになってみろよ』

『…は?』



本当に突拍子もない言葉に、今度は玲央が俺を白い目で見た。だけど、俺は本気だ。

< 371 / 423 >

この作品をシェア

pagetop