アイドルの秘密は溺愛のあとで
『今、モモスケって言った?』
『……言ってねぇよ』
突拍子もないことを言う玲央を、白い目で見る。なにをどう聞いたらモモスケなんて言葉が出てくるんだよ…あ、そうか。
――モモって子をたすけてやりてぇなぁ
『(それがモモスケに聞こえたのか)』
玲央はいつも突拍子もない事をいう天才だ。それに困っていた俺だけど…。
まさかその天才を、俺の口から困らせる日が来ようとは…思いもしなかった。
『玲央、高校には行かねーけど他の事を頑張るって言ったよな?』
『うん、言ったよ』
『じゃあお前――アイドルになってみろよ』
『…は?』
本当に突拍子もない言葉に、今度は玲央が俺を白い目で見た。だけど、俺は本気だ。