アイドルの秘密は溺愛のあとで



「こ、皇羽さん…」

「…は?……え、…?」



そこには、真っ暗な部屋に立つ萌々がいた。

今にも泣きそうな顔をして、ただ一人。そこに立っている。

俺は慌てて電気をつけ、そして萌々に歩み寄る。



「なんで……お前…、」

「玲央さんが、特別に入室を許可してくださったんです」



「あ……そう、……っ」

「~っ」



萌々が、一瞬ギュッと目を瞑る。だけどすぐに、大きな瞳を俺に見せた。


そして――



「ずっとずっと…
待たせちゃって、ごめんなさい」

「へ…?」

「私を、皇羽さんの物にしてください…っ」



……は?



「いま、なんて…?」


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