アイドルの秘密は溺愛のあとで


「私は自分の意志で…今日ここに来たんです」

「萌々の意志…?」



「私が皇羽さんに会いたくて…会いたくて会いたくて、仕方なかったんです…っ」

「っ!」



顔が歪む。すぐにでも萌々を抱きしめてしまいそうになる自分を、必死で抑えた。

一方の萌々は少しだけ震えていて…。顔を赤く染めて、今にも泣きそうになりながら…俺をまっすぐ見る。




「皇羽さん。今までごめんなさい…。
そして、ありがとう…っ」

「…、……っ」




無謀だと思った俺の願い。

自分勝手にアイドルの世界に玲央を引き入れ、そして苦しめて来た。都合よく玲央を巻き込んで何やってるんだって、自分を責めた日は数しれない。


だけど、萌々に会えた。


再会できた。玲央を救ってもらった。そして俺も…救われた。お前が、俺の願いを叶えてくれたから。



『モモに会いたい』という願い。


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