アイドルの秘密は溺愛のあとで
それだけの気持ちで、一年間ずっと足掻いてきた。たった一度だけ会った萌々を笑顔にさせたい。守りたいなんて…
「なに言ってんだ」と自分を嘲笑する日もあった。レオになった自分を鏡で見て「何やってんだ」と失笑する日もあった。
だけど、何も無駄じゃなかった。
そうして悩み続けて、それでも諦めず萌々を想い続けたこと――それは間違いじゃなかった。
萌々、お前を諦めないでよかった。
お前を好きになってよかった。
その想いだけで充分だって、
そう思い始めていたのに…
――私を、皇羽さんの物にしてください
まさか萌々からそんな言葉が聞けるなんて、
思いもしなかった。
「〜っ、…っ…!」
ぱたっ、と。
俺から一年越しの想いが溢れる。
そして一度だけ、静かにこぼれた。
そんな俺を見て萌々が泣いて、
「ごめんなさい」を何度も口にする。