アイドルの秘密は溺愛のあとで
――モモって子…たすけてやりてぇな
――今、モモスケって言った?
ピッタリな名前だと思ったんだ――と言う皇羽さん。笑ってるのかな?って思うほど柔らかい口調だった。
「そう言えば…」と私は、皇羽さんの秘密の棚にあった紙の事を思い出す。
「あの紙には、タイトルが Wish&Love って書いてありました。あれはデビュー曲の歌詞ですよね。どうしてタイトルが違うんですか?」
「玲央のやつ、鍵まで渡したのかよ…」
これには、さすがの皇羽さんも玲央さんに文句を言いたいのか…少しだけ顔を歪めた。
次に浅く息を吐いて、私に聞かせてくれる。
「あの紙に書いてある歌詞は…デビュー曲 Wish& の歌詞だ。けど、Love は無い方がいいと思って…直前に俺が消した」
「どうして…?」
「……、」
皇羽さんは気まずそうに…私から視線を逸らした。
そして、聞こえるか聞こえないかの声で呟いたのは…こんな事。