アイドルの秘密は溺愛のあとで


「”Love”は…”好き”って言葉は。俺の口から、直接お前に言いたかったんだ」

「っ!」



そうだったんだ…っ。恥ずかしそうに教えてくれる皇羽さんを見て、私も照れてしまう。


バクバクと鳴る心臓の音、聞かれてないよね…?カッと熱くなった体を誤魔化すように、私は他の話題を探す。



「そ、そう言えばメンバーの皆さんは、皇羽さんがmomosukeだってご存じなんですか?」

「知らねぇよ。知ってるのは玲央だけだ」

「そうですか…」



はぁ――と。私からため息が出る。

皇羽さんは「なんでため息だよ」と口を尖らせた。



「どうして、ずっと黙っていたんですか…?」

「何をだよ」



「私と会ったことがあるって。なにも秘密にしなくても…」

「……」



皇羽さんから体を少し離して、彼を見上げる。すると、ムスッとした顔をした皇羽さんと目が合った。

どうやら…私に落ち度があるみたい。

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