アイドルの秘密は溺愛のあとで


「お前が Ign:s を嫌いって言うからだろ」

「どうして、それと関係が…?」



皇羽さんは、いつか私が言った事を思い出す。



「俺の家に来た日。テレビのレオと俺を見比べて”家を出て行く”と言っただろ。

俺は…もうお前と離れたくなかったんだよ。

だから一年前の事もアイドルの事も…全て秘密にしようと思った」


「そんな事で…、」


「そんな事じゃねぇ。やっと…やっとお前を見つけたんだぞ。一年かけて…やっとだ。

だからどんな理由があっても、すぐに手放してやるもんかって思ったんだよ」



フンと意地悪そうに言う皇羽さん。


だけど……少しの間を置いて「いいんだよ」と。ポツリと呟いた。

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