アイドルの秘密は溺愛のあとで


「(これからは…一人じゃないんだ)」



一人じゃなく、皇羽さんと一緒に。

大事に時間をかけて、重ねていく。

二人だけの時間を、

二人だけの愛を膨らませながら――



「(皇羽さん、ありがとう。この曲は、確かに私を元気にしてくれる曲だね)」



大嫌いだったデビュー曲は…今や私の心の灯(ともしび)となった。


私を思って皇羽さんが書いてくれた、私だけの歌。

それを皇羽さんが皆の前で歌ってる。

そんな彼の心の中にいるのは――きっと私。



そして皇羽さんは、私の事を…こう言ってくれた。



――どんな時も前を向いて懸命に進むところ

――萌々のそういう強さに、俺は惚れてんだ

――お前はもう黒い箱に頼らなくても、いくらでも前へ進めるんだからな


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