アイドルの秘密は溺愛のあとで
「……」
初めは…過剰評価だって思った。
私に似合わない評価だって。
だけど…
「(皇羽さんの言葉を、信じてみたい)」
皇羽さんが思う私でありたい。
ブレない私でいたい。
そう思った。
あんな自分は、もう嫌だから。
――はぁ…もうやめよう
――皇羽さん、少しの間。さよならです
あの日のように…
簡単に皇羽さんを諦めてしまわないように。手放してしまわないように。
あんな事を思う私が、二度と現れないように…強くなりたい。
「萌々?どうした?なんかメラッてるね」
「ねぇクウちゃん… Ign:s って、これからもっと忙しくなるよね?」
「そりゃそうでしょ~。もはや彼らは神をこえた創造主。彼らなくして世界が朝を迎えないほど、日々彼らの需要は高まってるんだよ!!」
「うん、そうだよね」
私は頷いて、前を見た。
その先には、歌って踊って、そしてカッコよくアイドルをこなしている皇羽さん。
コウという人物を、しっかりと創り上げてファンを魅了している。