アイドルの秘密は溺愛のあとで
「や、やめてください皇羽さん!一着でいいですから!」
「お前、一生洗わねー気かよ…」
ドン引きした目で、私を見る皇羽さん。あぁ違う、そうじゃなくて!
「夜に洗濯すれば朝には乾いてます、って事です!」
「はいはい。じゃあこれ、全部ください。カードで」
「皇羽さん!」
レジの前でギャイギャイと抗議する私にしびれを切らしたのか。皇羽さんは私の頭に、ポンッと手を置いた。
そして――
「コレを脱がす俺の楽しみを、奪うんじゃねぇよ」
「…は?」
「俺が全部見たいんだよ。一着だけとか言うな」
「!!」
レジのスタッフさんも、近くにいたお客さんも――皆がみんな、目をハートにして皇羽さんを見ていた。「あんないい男に抱かれるなら本望…」とか聞こえてくるし…!
私は恥ずかしくて、ダッシュで退店する。
残った皇羽さんとスタッフさんが、こんな会話をしているとも知らずに――