アイドルの秘密は溺愛のあとで
◇
「それで?なんで萌々は Ign:s が嫌いなんだよ」
「え、ぇぇ…?」
今、それ言う?
たった今運ばれてきたパスタに手をつけようとした瞬間、コレ。
「今する話じゃありません」
「じゃあ、これはオアズケだな」
目の前からパスタが消える。
それはダメ。
「すみません全て話します」
現在――
私と皇羽さんは朝食を食べるために、とあるお店に入っていた。
まさか、そこで尋問されるとは…迂闊。
「聞いても面白くないですよ?」
「これから一緒に住むんだ。なるべく萌々のことは知っときたい」
「そう…ですか」
その言い方は、なんかズルい…。
取り返したパスタ皿の上で、照れ隠しのようにフォークをクルクル回す。