アイドルの秘密は溺愛のあとで


「でも、その女の子には王子様みたいな人が現れて…人生大逆転。女の子は、誰よりも幸せになっちゃうんですよ」

「つまり――自分と同じ境遇にありながら最後には幸せになる女が許せねぇって事か」

「…誰もそこまでは言ってません」



パスタを口に運ぶ。だけど…あれ、おかしいな。こんなに美味しそうなのに味がしない…。



「もう。皇羽さんのせいですよ。嫌な話をしたせいで、気分が下がっちゃいました」

「……」



一方的に怒る私を見て、皇羽さんはいつになく静かにしていた。味はしないけれど空腹を満たすために、必死にパスタを食べる私を、ずっと見てる。


そして、



「すればいいじゃねーか。俺のせいに」

「……へ?」



とんでもないことを言い出すのだ。

< 53 / 423 >

この作品をシェア

pagetop