アイドルの秘密は溺愛のあとで
「な、何を言ってるんですか。皇羽さん。大丈夫ですよ、私そこまで厚かましくありません。お金がたまって住むところが決まれば、すぐに出て行きますから。
第一、大げさですよ。もし私が生涯路頭に迷っていたら、墓場まで一緒に行ってくれる気ですか?さっきの言葉も、まるでプロポーズみたいですよ?これだから、モテる男の人は困りますねぇ」
「……」
「……っ」
なんでだろう。自分でも不思議なくらいにペラペラと喋ってしまった。なぜか口が勝手に動いちゃって…。
今――皇羽さんの顔が見れない。
「あ、あの…皇羽さん…」
「ま、お前ならそう言うって思ってたけどな」
「……へ?」
近づいていた顔が離れる。皇羽さんはあっけらかんとした様子で…コーヒーをコクリと飲んだ。