アイドルの秘密は溺愛のあとで
「あ、怒りも一周回れば何とも無くなるみたいです。パスタの美味しい味がしました!」
「あーそう。良かったじゃねーか」
呆れた顔で笑いながら、皇羽さんは私を見つめる。今はサングラスは外していて、黒い瞳とバッチリ目が合う。
外にいるせいか、家の中とは少し違った雰囲気で…。目なんか憂いを帯びているように見える。いや、絶対に気のせいなんだろうけど…!
「なぁ、萌々」
「はい?」
儚い笑顔で、少し気弱そうなオーラを出しながら。
皇羽さんが喋ったのは、こんなこと。
「夜の下着、今日買った中のどれにする?」
「……」
「下着が楽しみすぎて何も手につかねぇ。早く夜になんねぇかなァ」
外見イケメン、中身は肉食。
この男、やっぱり侮ることなかれ。