アイドルの秘密は溺愛のあとで
「へ?」
グイッ
さっき助けてくれたイケメンに、腕を引っ張られ、そして抱きしめられた。
しかもそれだけじゃなくて。
イケメンは私のアゴに手をやって、クイッと角度を上げる。それはまるで、キスする直前のしぐさのようで…
「俺とケンカしたからって、当て付けみたいに他の男にホイホイついていくなんて…」
「へ!?」
かお近!ってか、かお良!
まつげ長!唇うっす!!
何この端正な顔立ちは!女子にケンカを売ってるとしか思えない!
「(目の保養…っ)」
だけど興奮する私の頭の隅で、やっぱり「どこかで見た事ある」という気持ちもあって…。
「(喉まできてるのに、思い出せない…)」
歯がゆい表情をする私に、イケメンは「聞いてんのか?」と私の顔をのぞき混む。
「なぁ、仲直りしようぜ」
「なかなおり?」
なかなおりって、仲直り?
さっき初めて会ったばかりの、あなたと?