アイドルの秘密は溺愛のあとで
見えてしまった幻覚
その後――
私たちはいつもの雰囲気に戻り、パスタを食べきった後も、家に帰った後も。あいも変わらず、口喧嘩をしていた。
「どうしてヘンタイ的な事しか言えないんですか!」
「どうしてそう言う発想に至らねーか不思議だっての」
事の発端はこう。
用事があって皇羽さんを呼ぼうとした時。皇羽さんの姿がなかった。だから皇羽さんの部屋をノックして入ろうとしたのだけど――
『待て。そこはダメだ』
『‼』
寝室にいた皇羽さんが息をきらせて私に近づき、自分の部屋への入室を拒否した。かなり、怪しい…。
「気になるから入ってみたい」と言ったら、いつもの言い合いになってしまって…。
引き下がらない私に、皇羽さんが言ったのはこんな事。