アイドルの秘密は溺愛のあとで
「……ん?皇羽さん?なんか震えてません?」
ふと気づくと、ガタガタと皇羽さんの体が揺れている。え、なに。再会出来たことに感動して…とか?
いや、まさかね…と思っていると、
「なんか、寒気がしてきた…」
「ん⁉そう言えば皇羽さん、さっきお風呂に入ってましたよね⁉あぁ!全身ずぶ濡れじゃないですか!体拭いてこなかったんですか⁉髪からもポタポタと水が垂れてますよ!」
「風呂に入ってたら玄関のドアが閉まる音がして…そっから慌てて飛び出したんだっての。おかげで帽子もサングラスも忘れちまった…」
「誰もこんなずぶ濡れな人をレオだとは思わないから安心してください…。って、言ってる場合ですか!風邪ひきますよ、帰りましょう⁉」
改めて皇羽さんを見ると、薄手のシャツ一枚に、ズボン。それだけ。
この真冬の寒い時期に、コートもなしに濡れた体で家を飛び出すとか、本当にどうかしてる。