アイドルの秘密は溺愛のあとで
*皇羽*
*皇羽*
ガチャ
「ん?」
今、なんか聞こえたか?
シャワーを止めて、シャワー室を出る。家の中はシンと静まり返っていて、物音一つ聞こえない。
「おい、萌々?」
ソファに寝転ぶと言っていたし、寝たのか?
体を少しだけ拭いて、タオルを腰に巻いてソファに近寄る。
見ると、ソファの背もたれから俺の服が見えている。正確には、今日萌々に貸した俺の服だ。
「なんだ、やっぱ寝てんのか」
ふっと笑みが漏れて、シャワー室へ戻ろうとした。
が――その時。俺のスマホがブブと鳴った。電話だ。
名前を見た俺は「チッ」と舌打ちをしながら、通話ボタンを押す。