アイドルの秘密は溺愛のあとで
「え、えぇ…?」
ちょっと待って、どういうこと?まさか、皇羽さんが?
「買って、くれたの…?私のために?」
そんなの…嬉し過ぎるって…っ。
「ズルい…皇羽さん。性格までイケメンにならないでよ…」
零れそうになった涙をグシッと拭いて、荷物を丁寧に広げていく。全てがキラキラ輝いていて、まるで新入生になったみたい。
だけど、ここである事に気づく。
「ん?男の子用の制服もある。よく見れば、鞄も教科書も…全部二つずつ?」
これは一体…どういうこと…?
不思議に思うも、時計を見て飛び上がる。もう七時半!急いで支度をしないと!
「って、朝の七時から体温計や薬を打ってるお店って…あるの?」
不思議に思ったけど、後の祭り。
皇羽さんの事は気になるも、目的を達成したらすぐに帰ってくるだろうし。私はとりあえず自分の身支度を始めたのだった。
そして30分後――