アイドルの秘密は溺愛のあとで
「あの…皇羽さん…?」
「……」
「皇羽さん!」
「わ!そうか、俺か…。ごめん、なに?」
「……」
皇羽さんが、私に謝った⁉
それは変だ、変過ぎる。きっと熱が上がって脳が正常に動いてないに違いない…!それに、いつもと違って覇気がないし。なんかふにゃけた雰囲気だし!
「学校行くの…やめます」
「え、なんで…」
「こんな皇羽さんを放っておけるわけないでしょう⁉さ、早く服脱いで!ベッドに寝転がってください!」
「ちょ、待っ!」
四の五の言う皇羽さんを引きずって、ベッドの上に転ばせる。モコモコしたコートは脱がせて、次は帽子――そう思って手を伸ばしたら、
パシッ
皇羽さんに手首を掴まれる。皇羽さんは笑いながら、だけど困った顔をしていた。