アイドルの秘密は溺愛のあとで


「頑張って来た私に、その仕打ちですか…皇羽さん…」

「わ!ビックリした…。おかえり、すごい荷物だね…?」

「もう。誰のせいだと思ってるんですか」



体温計と薬の用意をしていると、皇羽さんが「ごめん」とシュンとした。え…ちょっと待って。


どうして、そんなにしおらしいの…。喋り方も変だし。本当……風邪って怖い。



「調子狂っちゃいますね…。早く風邪治してくださいよ、何だか皇羽さんじゃないみたいで落ち着かないですから」

「……うん」



ソファに横になったままの皇羽さんに薬を渡す。本当は何か食べてからの方がいいんだけど…。


チラッと机の上を見ると、唐揚げとグミを食べたゴミがあった。どうやら心配ご無用らしい。


あれ?もしかして、おかゆいらなかったんじゃない…?

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