アイドルの秘密は溺愛のあとで
「ちょっと皇羽さん、何してるんですか⁉冗談もほどほどにしないと、怒りますよ⁉」
「もう黙って。いいから、目を閉じて」
「!」
目を瞑った皇羽さんが、顔を近づけてくる。もちろん、大人しく目を瞑る…なんて事はしない。
だけど、抱きしめられる力が強くて逃げる事も出来ない。
どうしたら――
「……ねぇ、さすがに傷つくんだけど」
「だ、だって…!」
皇羽さんからのキスを逃れるため、仕方なく最大限に顔を逸らした私。
首が痛くなるくらいに離れれば、さすがに皇羽さんもキスしようとは思うまい…!
「それに、皇羽さん約束したじゃないですか!口にはキスしないって…っ」
「……は?」
「もう忘れたんですか⁉最低です!」
皇羽さんの手が緩んだ隙に、力いっぱいもがいて脱出する。そして寝室に逃げ込んだ。
だけど、逃げ込んだ場所が悪かったことに…うつ伏せになっていた私は気づかなかった。