アイドルの秘密は溺愛のあとで
テレビの中の人
「…はっ‼」
長い時間眠っていた気がする…。
ここ、どこ?
自分の家じゃない事は分かる。だって、さっき燃えてたもん、私の部屋。消し炭になったもん…。
「(じゃあ、ここは…?)」
綺麗な部屋。私が寝てたベッドも、大きくてフカフカ。壁も天井も家具も、全部高級そうで、全部白い。
たった一つだけ色があるのは…赤い時計。オシャレな壁掛け時計。それは白の部屋に、かなり目立っている。
「センスが良いのか悪いのか…。じゃなくて」
本当に、ここはどこ?誰の家?
寝る直前に感じた「温かさ」。じんわりと私を包んだような、あのカイロみたいな安心感。
…と思っていたけど。
目を覚ましたら知らない部屋にいたなんて、安心感どころか不安感しかない…‼
「とりあえず…出てみようか」
背の高いベッドを降りて、足音を立てないように、少しだけドアを開く。