アイドルの秘密は溺愛のあとで
「よかった…、いたんだな……」
「~っ、」
皇羽さんの体が熱い…。やっぱり、こんなに調子悪いんじゃん…。なのに、なんで私を探しに行こうとするかな…。皇羽さん、お人よしすぎるよ。優しすぎ。
お願いだから、ゆっくり休んでよ…っ。
「いま皇羽さんが出ていったら、私…一人になるじゃないですか」
「萌々…」
「だから…行かないで。ここにいてください」
「っ!」
キュッと。皇羽さんの背中に手を回す。
今まで抱きしめられた事は何度かあったけど、私が抱きしめ返したのは、たぶん今が初めて。
皇羽さんはそんな私をチラリと見た後、すごく悔しそうに「クソッ」と舌打ちをした。
「卑怯くせぇ。調子悪くて意識朦朧としてる時に、そんな事しやがって…」
「意識朦朧って…。その状態でどうして起きていられるんですか。バケモノですか」
「うるせぇよ…」