アイドルの秘密は溺愛のあとで

見上げると、顔を真っ赤にした皇羽さんと目が合う。熱のせいで目が潤んでいるのが妙に色っぽくて…少しドキッとした。



「どうせなら…俺が元気な時にしろよな」

「ハグを?なぜ?」



「なんでって…お前が俺を抱きしめてるんだぞ?覚えておきてぇだろ、普通」

「(”普通”…なんだ)」



いや、っていうか。


ちょっとドキドキしてる私がいるんですけど…。甘い言葉にクラッと来て、不覚にもドキドキしちゃったんですけど…!



「(ないない。ナイナイ…!
ドキッとしたなんて、気のせい!)」



自分に喝を入れ直し、皇羽さんの肩を担ぐようにして、私の首に腕を回す。


すると、その時。


露になった私の首を見て――

皇羽さんは目を見開いた。

< 92 / 423 >

この作品をシェア

pagetop