恋人たちの疵夏ーキヅナツー
雨やどり/その4
アキラ


この屈託のなさにやられたのかな

誰にも見せたくなかった心の根っこが吐き出せた

赤子さんにだってこうは言えなかったのに

オレははっきりと「怖い」と言えた

7つか8つ年が下の女子高生に

自分でも不思議なくらいすんなり

話しただけで元気が返ってくる

逃げだしたいとも言ったのに

これってはっきり言って弱音だ

弱音を吐いたら吸い取ってくれる

それで元気だけでなく勇気も湧いてくる

2酸化炭素を吸って酸素を送る

まるで植物のように


...


あけっぴろげでびっくりした

こんなセリフ、ためらいなく口にできるなんて

ホントにこの子は子供なのか大人なのか

ただ奔放なだけなのか

魅力的だ…、でも危険な何かも感じたりする

突き抜ける透明感があるかというと、そうでもない

ピュアすぎる気もするが、アンニュイでもある

...


とにかく、おかげで大阪は少し気が楽になってきた

コトを済ませて戻ったら、この子を抱く

こんな女の子に出会えてうれしい





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