恋人たちの疵夏ーキヅナツー
果実たちの新たなる発熱/その2
アキラ


オレのアタマは整理できていなかった

「おけいを骨抜きにしやがって、おたく、覚悟はしとけよ」

麻衣という子はこう凄んで、部屋から出て行った

座ったままのケイコちゃんとオレは目を合せて黙っていた

しばらくして彼女は立ち上がった

テーブルの前に散らばっていた錠剤を手にして

そして、ソレを台所のごみ箱に捨てた

「今、缶コーヒー冷たいの持っていくから」

オレはまだ突っ立ったままだ

「座って、これから話すから」

彼女は冷蔵庫から持ってきた缶コーヒーを手にして言った

テーブルの前に再び座った彼女

少し離れた横に、オレも腰を下ろした

彼女は缶コーヒーの栓を開けると、おもむろに話し始めた






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