恋人たちの疵夏ーキヅナツー
二人に灯った火
アキラ
風と波の音が闊歩している夜の海岸
視線の向こうには女の子たち
無邪気にはしゃいでる
どのくらいの距離があったのか
見続けるているうちに、距離が縮まってくる
そんな感じなんだ…
いつも”こんな時”って…
***
自分はテトラポットに座ったままなのに…
動いてはいないのに
女の子たちが気づいてないままで、距離だけがどんどん狭まる…
さらに近づいてくる女の子たち
やがて、タイミングを自覚する
オレの後ろの視線もこの背中、押してる
では、そろそろ…
要は行くしかない
毎度のことだ…
***
ためらわず、はしゃぐ輪に入っていった
左手にはブタの蚊取り線香
”かやりき”というやつだ
既にブタの口からはケムリが漏れている
ケムリの根っこは真っ赤で熱そうだ
当然だ、蚊取り線香は着火してる
***
まずオレが1本取る
それをおもむろに豚の口へ突っ込む
着火完了…
文字通り、口火をきった
鮮やかに光ってこぼれる火のつぶ
一瞬、あっけにとられる女の子たち
そして、あけっぴろげに喜んでくれてる
一斉に、我先にと駆けてゆく先は…
砂浜に放られた花火の袋だ
さあ、みんなもどうぞだ
***
彼女たちはブタの口にどんどん突っ込む
順番を守ってたのは、最初だけだった
”シューッ、ピューン、ボーン、シュシュシューッ”
次々と点火され、発射されていく
鮮やかな火の華を吹き上げながら…
やがて、女の子たちは踊り出した
両手に花火を掴んで
風のイタズラと格闘してた子たち
高校生みたいだ
7人いる…
***
風の闊歩が激しくなってきた
ここで”お待ちかねさん”たちを呼んだ
後ろの5人が、小走りしてきた
向こうは7人だし、文句ないでしょ
風と波の音が闊歩している夜の海岸
視線の向こうには女の子たち
無邪気にはしゃいでる
どのくらいの距離があったのか
見続けるているうちに、距離が縮まってくる
そんな感じなんだ…
いつも”こんな時”って…
***
自分はテトラポットに座ったままなのに…
動いてはいないのに
女の子たちが気づいてないままで、距離だけがどんどん狭まる…
さらに近づいてくる女の子たち
やがて、タイミングを自覚する
オレの後ろの視線もこの背中、押してる
では、そろそろ…
要は行くしかない
毎度のことだ…
***
ためらわず、はしゃぐ輪に入っていった
左手にはブタの蚊取り線香
”かやりき”というやつだ
既にブタの口からはケムリが漏れている
ケムリの根っこは真っ赤で熱そうだ
当然だ、蚊取り線香は着火してる
***
まずオレが1本取る
それをおもむろに豚の口へ突っ込む
着火完了…
文字通り、口火をきった
鮮やかに光ってこぼれる火のつぶ
一瞬、あっけにとられる女の子たち
そして、あけっぴろげに喜んでくれてる
一斉に、我先にと駆けてゆく先は…
砂浜に放られた花火の袋だ
さあ、みんなもどうぞだ
***
彼女たちはブタの口にどんどん突っ込む
順番を守ってたのは、最初だけだった
”シューッ、ピューン、ボーン、シュシュシューッ”
次々と点火され、発射されていく
鮮やかな火の華を吹き上げながら…
やがて、女の子たちは踊り出した
両手に花火を掴んで
風のイタズラと格闘してた子たち
高校生みたいだ
7人いる…
***
風の闊歩が激しくなってきた
ここで”お待ちかねさん”たちを呼んだ
後ろの5人が、小走りしてきた
向こうは7人だし、文句ないでしょ