恋人たちの疵夏ーキヅナツー
盛夏の傷痕/その4
ケイコ



麻衣のヤロウめ、体調戻ったら、今度こそ決着だ!

クソッ!アキラの夢、ぶっ壊しやがって!

ただでさえ、脳ミソはギンギンクラクラなのに…

一線超えそうなくらい、アタマ沸騰してるぞ

だけど、私を縛ったのは正解だぜ

自由利いたら、刃物持ち出すくらいだ

...


チキショー、お前の説明、一晩聞いても納得できねえっての!

アキラ…、何があったんだよ、一体…

...


ギンギンクラクラやや治まって、少しだけ、冷静になった

今のうちだぞ、麻衣、全部言え、アキラに何した?理由も言え!

...


フン、麻衣も久々、本気できてるな

だいたいお前が、自分を抑えて冷静にってガラ自体、テンバッテンだよ!

...


日付変わっちゃったじゃないか!

お前と朝まで討論してる場合じゃないだろ、責任とれ!

アキラの将来奪って、お前、戻せよ、昨日に!

はあ…、水掛け論か、これって…

少し落ち着くか、朝にならないうちに…

...


麻衣も冷静になって、告白した

「南玉連合、私も抜けるぜ。後は祥子ということになるな」

えっ?私が出りゃ、念願の統一だろうが?

「お前の抜けた後の統一じゃ、意味ない。興味ないんだ、どうでもいいんだよ」

「…」

「そっちの多美と祥子ということだ、今後は。まあ、私らのようには到底無理だな、あいつらじゃ。線が細いよ、所詮。いずれ、”排赤”喰らうだろうな。知ったことじゃないが…」

しかし、祥子か…。久美じゃないのか…

麻衣も見てるとこ見てるということかな

「それに、抜くしな、アレも…。”あの”条件の方だって、キッチリって覚悟だ」

麻衣もそこんとこ、考えていたのか…

    




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