恋人たちの疵夏ーキヅナツー
発熱の代償/その6
ケイコ
ただでさえ残暑厳しくて、汗いっぱいかいてんのに…
何年分かの涙、まとめてこぼしちゃったよ、私
あれだけ泣いたら、水分底ついたって感じだ
剣崎さんが持ってきた冷たいもんは、缶コーヒーだった
「やだ、これ。コーラにして!」
まるで駄々っ子の私は、その冷たい缶を、剣崎さんの手に押し返した
苦笑いの剣崎さんは、外にいる能勢さんにコーラのオーダーしてくれてる
クソッ、何もかも投げ出して、アキラんとこに飛んでいきたいよ
...
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ…
コーラを一気飲みだわ、私
たぶん生れて初めてだ、こんなこと
隣で剣崎さんは、くすくす笑ってる
結局、私は”この件”を了解した
もちろん、全然納得してないし、不本意極まりない
しぶしぶどころか、やけくそってとこでの決断だ
...
だいたい、アキラが何で加害者にならなきゃいけないんだよ!
絶対、意味不明だよ
私と麻衣は、死んだ相馬会長から、直にあのクスリ渡された
これは確実な事実だし
どうせ警察なら、正直に言いたいさ
それを、無理矢理アキラからクスリ誘われたって、警察にウソ言うのかよ!
あり得ないって!
アキラのプロへの道は、私が閉ざしたようなもんだし
その上、今度は犯罪者に仕立て上げる偽証をさせるのかよ、あの人を愛してる私にさ
これ、メチャクチャだろうって!
...
要は、私とアキラの互いを思う気持ち利用して、相和会の捨て石にしてるだけじゃんか
それを恩着せがましく、アイツの気持ちを無駄にするなとかって…
ご都合主義の偽善者どもめ!
本当なら、ここで生ビールでも一気飲みしたいくらいだ、チクショー!
剣崎なんか、死んじまえ!
麻衣の野郎は、私が直に殺ってやりたいよ
コーラでごまかされた訳じゃないからな、剣崎さん
ケイコ
ただでさえ残暑厳しくて、汗いっぱいかいてんのに…
何年分かの涙、まとめてこぼしちゃったよ、私
あれだけ泣いたら、水分底ついたって感じだ
剣崎さんが持ってきた冷たいもんは、缶コーヒーだった
「やだ、これ。コーラにして!」
まるで駄々っ子の私は、その冷たい缶を、剣崎さんの手に押し返した
苦笑いの剣崎さんは、外にいる能勢さんにコーラのオーダーしてくれてる
クソッ、何もかも投げ出して、アキラんとこに飛んでいきたいよ
...
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ…
コーラを一気飲みだわ、私
たぶん生れて初めてだ、こんなこと
隣で剣崎さんは、くすくす笑ってる
結局、私は”この件”を了解した
もちろん、全然納得してないし、不本意極まりない
しぶしぶどころか、やけくそってとこでの決断だ
...
だいたい、アキラが何で加害者にならなきゃいけないんだよ!
絶対、意味不明だよ
私と麻衣は、死んだ相馬会長から、直にあのクスリ渡された
これは確実な事実だし
どうせ警察なら、正直に言いたいさ
それを、無理矢理アキラからクスリ誘われたって、警察にウソ言うのかよ!
あり得ないって!
アキラのプロへの道は、私が閉ざしたようなもんだし
その上、今度は犯罪者に仕立て上げる偽証をさせるのかよ、あの人を愛してる私にさ
これ、メチャクチャだろうって!
...
要は、私とアキラの互いを思う気持ち利用して、相和会の捨て石にしてるだけじゃんか
それを恩着せがましく、アイツの気持ちを無駄にするなとかって…
ご都合主義の偽善者どもめ!
本当なら、ここで生ビールでも一気飲みしたいくらいだ、チクショー!
剣崎なんか、死んじまえ!
麻衣の野郎は、私が直に殺ってやりたいよ
コーラでごまかされた訳じゃないからな、剣崎さん