恋人たちの疵夏ーキヅナツー

海での写真

海での写真




「…薫、なにムキになってんのよ。誘う誘わないは私らが口はさむことじゃないでしょ。違う?」

「違わないー」(男性軍一同)

「だいたいさ…、私らの方のおけいだってそうだよ。みんなで計画して、民宿の手配とか役割分担してさ…。それで、直前に一人欠員出て、薫たちがおけいを推薦したから参加オッケーしたのよ、私ら。だけどさ、実際2泊3日の千葉で仕切ってたの、そのおけいだって!」

(女性群、概ね頷く)

***


「みんなお金持ちだしで、完全プライベートの無礼講でしょ、あの千葉行きさ…。なのに、何よ、あの級長気取りの説教はさ!せっかくのバカンスをさ、林間学校の引率教員かって、おけいは!南玉連合のボス気取り、あそこでは自制して欲しかったわ。喫煙だけで私を不良扱いしてさ」

「陽子ちゃんの言う通りー!」

「アハハハ…、さすが、未成年でスーッパッパの大人は違うなあ…」

一同爆笑…

(女性群、やや戸惑い気味ながらも苦笑を浮かべて、同調?)

...


「陽子…!あのさ…」

「薫…、やめときなよ、今は…」(小声)

「…」

「…薫、あんたさ、胸がデカいってことで、ココのお兄さんたちが今日集まったの、自分が目当てって織り込んでるんでしょ?それで、わざと絵美と一緒に遅れて来てさ…」

「ああ、メインキャストのじらし作戦ってことか?」

「私にはそうにしか見えないって。いいわねー、遺伝だけで世の男をクギ付けに出来るなんてねえ…」

「アハハハ…、陽子ちゃん、君の小っちゃいながらもツンツンおっぱい、オレはそっちの方がそそられるんだよなあ…」

「あらら…、うれしー!あはは…」

「わー、よかったじゃん、陽子!アンタのペチャでも欲情する殿方がいるんだもんね、ギャッハハハ…」

「あのねー、これでもおけいには勝ってるし、胸なら。あの洗濯板と一緒にしないでよ、みんなー」

(一同、爆笑)


***


「絵美、私、帰るわ。アホくさくてたまんないわ!」

「でもさあ…、写真見てからにしようよ、薫。せかっくだから」

「…わかった」

(以上、小声)




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