少女達の青春群像 ~舞、その愛~
2人が去った後の客間は静かだった。自分の膝の上では、中葉が規則正しい寝息をたてて眠っている。時計を見ると、その針は4時半を指していた。橋本家に到着したのが1時半頃だったので、それから3時間ここにいるということになる。
あれから随分時間が経っているけど、響ちゃんと橋本君は何をしているのだろう。
もしかして早くもラブパワー全開になっているのでは!
いつもの響ちゃんの豪快な笑い声も聞こえないもの。親密な雰囲気になっている可能性はかなり高いわ。
橋本君の部屋だからベッドはあるはずだし、橋本君も健全な男だもの。
まさか既にベッドインとか!
「橋本君…どうして?」
突然のことに戸惑う響歌。
目の前にある橋本の顔は本気モードだ。
響歌は逃げようとしたが、橋本の腕の中にいるので身動きが取れない。
「オレのこと、本当は好きなんだろ?」
橋本が強引に響歌に口づける。そうしながら響歌の背にあったベッドに響歌を押し倒した。
ここまでくると響歌はもうどうでもよくなってしまった。
抵抗する気力も無い。
それに今は黒崎に失恋した身。相当自分に自信が無くなっている。
こんな自分でも、橋本君が求めてくれているのなら…
「いいわ、橋本君の好きにして」
そうして2人は…
「いーやー、私もまだなのにー!」
舞は悶えた。
いくら響ちゃんでも、私より先に進むなんて許せないんだから!
「どうしたの、ムッチー。またトリップしていたの?」
中葉のあくび交じりの声が聞こえてきた。
「あっ、ごめんなさい、中葉君。起こしてしまって」
中葉は謝る舞の膝から身を起こすと、欠伸をした。
「いや、いいよ。ムッチーもオレが寝ていたから暇だっただろうし」
中葉はあれからずっと寝ていた。
響歌達がいなくなったので思う存分イチャつけると思っていた舞は、少し拍子抜けだった。中葉の言う通りで暇でもあった。
だが、愛する中葉にそんなことを言えるわけがない。
「そんなことないわよ。寝ている中葉君の顔も素敵だったもの。中葉君の寝顔を見ていたら、時間なんてあっという間に過ぎてしまったわ。もっと寝ていてくれても良かったのに」
「ありがとう、ムッチーはやっぱり優しいなぁ。でも、夕方になってきたし、もう帰らないとな」
中葉は素早く帰り支度を始めた。
「ほら、ムッチーも準備をして」
「う、うん」
戸惑いながらも中葉の言う通りにする。
「でも、帰るのなら響ちゃんを呼んでこないと。橋本君にもお礼を言わないといけないし…」
「ダメだよ。せっかく2人きりにさせているんだ。ここで邪魔したら悪いだろ。それに橋本に一生恨まれそうだ。今日はこっそりと帰ろう。お礼なら、後でオレが橋本に言っておくよ」
やっぱり私が考えていた通りのことを思っていたのね。
さすが中葉君、私と一緒で友達思いなんだから。
「わかったわ、こっそり帰りましょう。私も響ちゃんには幸せになってもらいたいもの。協力してあげないとね」
中葉は穏やかな顔をして舞の頭を撫でた。
あれから随分時間が経っているけど、響ちゃんと橋本君は何をしているのだろう。
もしかして早くもラブパワー全開になっているのでは!
いつもの響ちゃんの豪快な笑い声も聞こえないもの。親密な雰囲気になっている可能性はかなり高いわ。
橋本君の部屋だからベッドはあるはずだし、橋本君も健全な男だもの。
まさか既にベッドインとか!
「橋本君…どうして?」
突然のことに戸惑う響歌。
目の前にある橋本の顔は本気モードだ。
響歌は逃げようとしたが、橋本の腕の中にいるので身動きが取れない。
「オレのこと、本当は好きなんだろ?」
橋本が強引に響歌に口づける。そうしながら響歌の背にあったベッドに響歌を押し倒した。
ここまでくると響歌はもうどうでもよくなってしまった。
抵抗する気力も無い。
それに今は黒崎に失恋した身。相当自分に自信が無くなっている。
こんな自分でも、橋本君が求めてくれているのなら…
「いいわ、橋本君の好きにして」
そうして2人は…
「いーやー、私もまだなのにー!」
舞は悶えた。
いくら響ちゃんでも、私より先に進むなんて許せないんだから!
「どうしたの、ムッチー。またトリップしていたの?」
中葉のあくび交じりの声が聞こえてきた。
「あっ、ごめんなさい、中葉君。起こしてしまって」
中葉は謝る舞の膝から身を起こすと、欠伸をした。
「いや、いいよ。ムッチーもオレが寝ていたから暇だっただろうし」
中葉はあれからずっと寝ていた。
響歌達がいなくなったので思う存分イチャつけると思っていた舞は、少し拍子抜けだった。中葉の言う通りで暇でもあった。
だが、愛する中葉にそんなことを言えるわけがない。
「そんなことないわよ。寝ている中葉君の顔も素敵だったもの。中葉君の寝顔を見ていたら、時間なんてあっという間に過ぎてしまったわ。もっと寝ていてくれても良かったのに」
「ありがとう、ムッチーはやっぱり優しいなぁ。でも、夕方になってきたし、もう帰らないとな」
中葉は素早く帰り支度を始めた。
「ほら、ムッチーも準備をして」
「う、うん」
戸惑いながらも中葉の言う通りにする。
「でも、帰るのなら響ちゃんを呼んでこないと。橋本君にもお礼を言わないといけないし…」
「ダメだよ。せっかく2人きりにさせているんだ。ここで邪魔したら悪いだろ。それに橋本に一生恨まれそうだ。今日はこっそりと帰ろう。お礼なら、後でオレが橋本に言っておくよ」
やっぱり私が考えていた通りのことを思っていたのね。
さすが中葉君、私と一緒で友達思いなんだから。
「わかったわ、こっそり帰りましょう。私も響ちゃんには幸せになってもらいたいもの。協力してあげないとね」
中葉は穏やかな顔をして舞の頭を撫でた。