献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
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仕事中も心なしか気持ちが晴れやかだった。
上司にメールを送るときも、総務システムの入力をするときでも、手もとが弾む。
今日のお昼番の里見さんを残し、私はひとりで社員食堂へ向かった。
二階の奥にある社員食堂はいくつかの定食が注文でき、持参したお弁当もここで食べてよいことになっている。
社外への訪問が多い営業部は外へ食べに行く人が多いが、基本的に社内にいる人は交代でここで昼食をとる。
いつもの場所、連なる長テーブルの一番端っこに座った。
アスパラのベーコン巻きやきんぴらごぼう、冷凍のおかずが入ったお弁当を広げ、ひょいひょいと端でつまむ。
「あ、日野さん。おひとりですかぁ?」
無心で食べていたら急に視界に西野さんが入ってきたため、私は「んっ」ときんぴらを喉に詰まらせた。
「……西野さん、松島さん。お疲れさまです」
笑顔を作って挨拶してみたものの、彼女たちとどう関わればいいのか今もよくわからない。
私を都合よく利用していたのだと知ってしまったし、向こうも合コンの一件からさらに私をよく思っていないだろうし。
清澄くんの機転で完全に亀裂が入ることは避けられたけど、彼と付き合い始めたと知ったら、さらに大変なことになりそうだ。
西野さんたちはなぜか私の対面に座り、自分たちのサンドイッチやサラダパスタを広げる。