献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「へ……あ、す、すごい、おめでとう……」
おめでたいけど。
よかったけど。
ああもう、恥ずかしい……!
泣きながら愛の言葉をたくさん投げ掛けてしまったのに。
照れ隠しで赤ワインをごくごくと飲み干した。
「これまでと変わらず、俺と会ってくれる?」
熱くなった頬を手で冷ましながら、私は頷く。
「……うん」
ああ、改めて、うれしいな。
清澄くんの彼女になれたんだ。
「……ありがとう、清澄くん……」
「それは俺の台詞だよ」
こんなに素敵なことがあるだろうか。
手探りで関係を進めて、楽しいことも苦しいこともあったけど、私たちは分かりあってきた。
彼のことを知るたび、ミスターパーフェクトという顔の裏で本当の自分を隠さねばならないつらさが痛いほどわかった。
TLの世界も素敵だけど、これからは私たちだけの関係を築いていける。
「……愛莉。実は部屋も取ってるんだけど」
酔いの回った私たちは、テーブルの上で熱い指先を絡めた。