献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「俺たちも今日は気分いいよな。女の子みんなかわいいし。やっぱ年下っていいな」
内藤さんはそう言った後、私を見て「あっ」と声をもらした。
私は年上だと気づいたようだ。
全然気にしてないから、お願いスルーして。
「内藤さーん。日野さんは年上ですよ。お局さんですからねー」
すかさず、西野さんがそう突っ込む。
内藤さんは苦笑いしながら、「いやお局さんってよりは、素敵なお姉さんって感じがしますよ」と距離感のある敬語で私をフォローした。
「日野さん、大丈夫ですか? 年が違うと話しづらいですよね」
西野さんは手を合わせて心配する素振りを見せる。
なんて答えたらいいんだろう。
挑発されているような気がするけど、変なことを言って空気を壊したらダメだ。
「ううん。私、たしかにお局に片足突っ込んじゃってるから。今日は若いエネルギーもらって帰ります」
これで大丈夫かな……と冷や汗をかきながらへらっと笑ってみせると、こちらを向いている顔たちは「日野さんも若いですって」笑い、西野さんと松島さんは「そうですよ、若く見えますよ」と言い直した。