献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
内藤さんはいろいろと割りきったのか、「急に呼んですみません。大丈夫ですか?」と穂高さんのそばへ寄って尋ねると、彼は「いいよ」と苦笑いをしたが席に着いた。
席というのは、必然的に、空席だった私の正面になる。
「改めまして。俺の直属の上司で、東京ABC銀行、丸の内支店係長! 『ミスターパーフェクト』の異名を持つ穂高清澄さんです!」
「なんだそりゃ」
「で、先輩。こちらのみなさんはヨツバの社員さんたち、左から西野さん、松島さん、そして日野さんです!」
会釈する西野さんと松島さんの次に、内藤さんの手が私を指し示したところで、こちらも観念して顔を上げた。
「……日野さん?」
やっと目が合い、私だと気づいた穂高さんは、大きく目を開いている。
こんな形で顔を合わせることになるなんて、恥ずかしくて顔が熱くなった。
「こ、こんばんは。穂高さん」