献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「あ、そうなんだ? 俺ら同い年なの?」
「あ……はい。そうみたい……だね?」
この場に適するように砕けた話し方にしてくれた穂高さんに合わせた。
穂高さんは取引先で、ここへ現れたことにはなんの落ち度もないのだから、失礼があってはいけない。
空気を読んで距離を詰めてくれることも、合コンという場には相応しい振る舞いなのだから、拒否するべきではない。
でもそうすると、西野さんと松島さんを怒らせてしまう。
状況は悪化してばかりだ。
どうしたらいいのかわからず異常な汗をかくだけで、変な笑顔がこびりつく。
そんな中、ついに「でも」と西野さんが口を挟んだ。
「実は日野さん、彼氏いるんですよ。今日もナイショで来たんですよね?」
「えっ」
意味がわからず彼女を見た。
すると、横のふたりとも「わかってますよね?」という目で私を睨んでいる。