献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
「すぐ返事できるわけじゃないけど、昼飯のときと寝る前は必ずチェックしてるから。なにかあったら送って」
「……いいの?」
「俺でよければ、いつでも」
どうしよう。
連絡先をもらってしまった。
うれしいのと同時に、あまりに自然に交換する流れになったことに驚いている。
「……穂高さんって、いろんな人とメッセージのやりとりしてると思うから……私の相手は面倒じゃないかな」
「は? そんなことないけど」
「女の人のアカウント、いっぱい入ってそう……」
私はつい本音を漏らしてしまい、穂高さんは眉をひそめる。
モテることはなにも悪くないのに、大量の女の子のアカウントのひとつに加えられたのではと自分勝手な反抗心が芽生えてしまった。
「入ってないよ。俺そういうの面倒で、あんまり向いてない」
じゃあ私とのこの流れは?
まったく信じられず、疑いの視線を向ける。
しかし私なんて彼女でもなんでもないのだから取り繕う必要はないはずが、穂高さんはなぜか必死に否定した。
「本当だって。見れば。ほら」
彼はメッセージのやりとりをしているアカウント一覧を表示し、私に見せる。
「……ほんとだ」
そこには意外にも彼の言っていた通り、仕事の同僚、友人と思わしき男性たちのアカウントしか載っていなかった。
このルックスと性格で、異性との付き合いがないはずないのに。