献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
調子に乗って出すぎたことを言ってしまったかと思う間もなく、穂高さんはこちらへ前のめりになる。
酔っているのか羞恥に耐えているのか、尋常ではなく顔が赤い。
「違う! エッチじゃない!」
彼のむきになっても綺麗な顔を前に、さすがにその言い訳は厳しいんじゃないかな……と困惑が隠せなかった。
本当に引いたりしていないから、否定することないのに。
どうしたら気にしていないことが伝わるかな。
こうなったらこの話はもう流してしまおうと思い、笑顔を作りながら「なにか頼む?」と彼に店のタブレットを差し出してみる。
彼はすごい早さでタップして生ビールを追加注文すると、さっさとタブレットを戻した。
持っていたグラスのビールを一気に飲み干した後で、「勘違いしないでもらいたいんだけどさ」と話を続ける。
「『ピュア♡ラブ』はただのエッチな作品じゃない」
……?
「日野さんはTLコミックは読まないのか?」