献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~

あと、私にスマホを見られて自棄になっているのだろう。
先ほどまで恥ずかしくて消えてしまいたかったのかもしれないが、今は開き直っているようにしか思えない。

「う、うん」

しかたなく画面と向き合った。

そして私もこんなにしっかりエッチな話をされるのは恥ずかしいため、グラスを空にしてお酒を追加する。
お酒に弱いし普段は多くは飲まないけど、この状況は素面では正直耐えられない。

「ちゃんと読んで」

ビールを飲みながら第一話を押し付けてくる穂高さんに従い、画面に目を落とす。

エッチな作品は苦手なんだし、どんどんスクロールして読んでいるふりでやり過ごそう。
タイトルにエッチと入っているのにエッチじゃないわけがないもの。

『誰でもいいなら、俺と試してみればいい。絶対に傷つけたりしないから』

しかし、冒頭すぐの扇情的な表情、甘くてまっすぐな言葉に、ヒロインと同じく私もきゅんと胸を射ぬかれた。

ドキドキしながらゆっくりとスクロールしていく。
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