献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~
これって、もしかして恋人のふりをしてくれてる……?
私はこんな状況になり混乱しているはずなのに、軽くて甘いタッチに体が痺れた。
可愛がられるような触れ方に思わず心地よさを感じてしまい、硬直する体はやがて熱くなっていく。
「俺は愛莉を気持ちよくするのが好きだからね。愛莉も、その方が好きだと思うけど」
耳もとで囁かれ、胸が痛いくらいにドキドキする。
わかってる、穂高さんは淳司を挑発しているだけだ。
合コンのときもそうだった。
言い返せない私に好き勝手する相手を、一番ショックを与える言葉で懲らしめてくれる。
淳司のこの歪んだ顔を見れば一目瞭然だ。
きっと私と穂高さんの愛に満ちたエッチを想像して、怒りに震えているのだろう。
「テメェ……」
それでも、きっと穂高さんには言い返せない。
誰も穂高さん勝てないのだ。
なにもかも完璧で、彼になにを言おうと負け犬の遠吠えにしかならないと淳司もわかっているはずだ。